(2018/02/20)
【発表のポイント】
●強磁性と超伝導が共存するウラン化合物URhGeでは、ある特定の磁場で超伝導が誘起されることが知られていたが、そのメカニズムや制御方法は分かっていなかった。
●結晶の特定の方向に力を加えることで、新たな超伝導相が現われることがわかった。
●超伝導の源である強磁性の「ゆらぎ」が力によって制御できたことを意味し、新しいアプローチによる超伝導探索や新奇量子相探索につながる。
【概要】
東北大学金属材料研究所の青木大教授は、CEA-Grenoble(フランス原子力庁)の研究員ダニエル・ブレイスウェイト(Daniel Braithwaite)氏らとともに、ウラン化合物強磁性体URhGeに力(歪み)を加えることによって、磁場誘起超伝導から新たな超伝導相を生み出すことに成功しました。
これは、超伝導の源となっている強磁性「ゆらぎ」を力によって制御できたことを意味しており、これまでとは異なる新たな超伝導研究のアプローチです。
今後、歪みを積極的に用いた新超伝導体の発見や新奇量子相の発見につながるものと期待されます。本研究の成果は、2018年1月17日付「Physical Review Letters」に発表されました。また科学新聞(2018年2月9日付、1面)で報道されました。
詳細1: プレスリリース本文 [PDF:455KB]
詳細2: Physical Review Letters ウェブサイト [DOI:10.1103/PhysRevLett.120.037001]