研究ハイライト

大洗施設職員の研究

アクチノイド水素化物燃料の研究

小無健司 他

アクチノイド元素は金属状態では、多くの水素を吸収することができる、いわゆる水素吸収材としての性質を有している。 アクチノイド水素化物中の水素原子密度は、水中の水素原子数密度とほぼ同じであり、軽水炉の冷却材と同等の中性子減速性能が期待できる。こ の中性子減速性能に着目して原子炉からの照射済み燃料中に含まれるアクチナイド(Np, Am, Cm等)廃棄物の処理用燃料としての応用を研究した。アクチノイドの中では比較的取り扱いが簡単で水素との反応がNp等に類似しているトリウムを用いて研究が進められた。特に最近高温での安定性に優れているU-Th-Zr水素化物が開発され新しい原子炉用燃料として期待されている。本研究ではこのU- Th-Zr水素化物をNpやAmの水素化物の模擬燃料として用いた。

U-Th-Zr水素化物の熱力学データおよび評価手法を確立した。
燃料設計に必要な熱伝導度、熱膨張率等の物性値を測定した。
燃料設計や照射試験データ解析に必要な水素化物燃料照射挙動評価コードを開発した。
国内で最初の水素化物燃料の照射試験をJMTRを用いて実施した。

水素化物燃料はステンレス鋼キャプセルに封じ込められJMTRに於いて線出力140W/cmで2サイクル(約2ヶ月 564hr+588hr)照射された。(燃焼度0.20%FIMA)が実施された。照射終了後3ヶ月の冷却期間を経てキャプセルは原子炉から取り出されJMTRホットラボにおいて非破壊試験が実施され健全な照射で有ったことが確認された。その後試料は切断されより詳しく調べられた結果今回の燃料の製作に 用いた設計の妥当性が確認された。

水素化物燃料に特有な現象として燃料中心の高温領域から燃料外表面の低温領域に水素が移動する現象が知られているが、この水素再分布によって引き起こされる燃料の径方向硬度変化が観測された。また照射済み燃料の外周部での水素化物のアモルファス化が起こっていると思われるX線回折パターンの変化が観測されている。


照射済み燃料の径方向硬度変化


照射済み燃料の外周部でのX線回折パターンの変化


研究ハイライトへ戻る

ホーム │ センター概要 │ 研究・教育 │ 実績 │ 施設・装置 │ 材料照射 │ 施設利用情報 │ 連絡先・アクセス │ 関連リンク